きちんと理解しておきたい 木が燃える仕組み
木が燃えるには3つの条件が必要
- 燃えるもの(木)
- 酸素
- 熱源(火など)
この3つがそろわないと燃えません。
これを燃焼の3要素といいます。
木は分解燃焼、燃え方には種類がある
「モノが燃える」ことは3種類に分けることができ、これを燃焼の形態といいます。
- 表面燃焼→表面が高温を維持しながら炎を出さずに燃える、木炭など。
- 蒸発燃焼→蒸発した気体が燃える、ガソリンなど。
- 分解燃焼→熱分解によって可燃性ガスを出す、木など。
↓その証拠がこれ、薪ストーブで薪を燃やしている最中の写真、
薪全体が火に包まれていますがよく見ると、、、
お分かりいただけたでしょうか?
表面の穴から勢いよくガスが噴き出し着火している部分がありますよね。
これはその瞬間をとらえた貴重な?写真。
木から出る可燃性ガスの正体は?
木の成分は“セルロース”と“ミネラル”という物質でできています。
そのほか“ヘミセルロース”や“リグニン”という物質も存在し、これに熱が加わると分解されガスを生成します。
一方ミネラルは分解されません、
だから燃え尽きた後にのこった灰の正体はミネラルです。
ではセルロース・ヘミセルロース・リグニンが分解されると何ができるのか? ですが、目に見えるものとしては「煙」です。
- 一酸化炭素
- メタン
- アルデヒド
- ケトン類
- タール
- 二酸化炭素
- 未燃性の小さなチリ
- 水分
これらが混ざり合ったものが煙、 この中で燃える物質を赤文字にしてます
そう、これが煙の中に含まれる可燃性ガスの正体、こいつら(赤文字)が燃えているんですね!
あ、もちろん樹種によって成分の含有率は違いますよ!
木から出た可燃性ガスは250℃で着火する
温度による変化を見てみると、
100℃~ “分解”が始まる、 この温度でも長時間さらされると表面が炭化する
~180℃ 表面が炭化し更に分解が促進される、当然出るガスの量も多くなる
~250℃ 可燃性ガスに引火し木の温度がさらに上がる
分解し終えるまでこの連鎖反応が続く
そう、この可燃性ガス、250℃付近にならなければ着火しません、
薪ストーブを例にとると、
ストーブ内の温度が低いとガスは燃えずにそのまま煙突から逃げていっちゃいます。
しかし、こんなにエネルギーを秘めている煙を燃やさないのはもったいないですよね、だったらどうすればいいか?
こたえは一目瞭然!
炉内の温度を上げればよいのです
では炉内の温度を上げるにはどうすればよいか? それは、、、
酸素を送り込めばよいのです(空気レバー全開)
種火を大きくするとき、フイゴなどで風を送り込みますよね、そうするとよく燃えるのも同じ理由。
↑ポケットふいごは伸縮式で持ち運び簡単、アウトドアやキャンプの時の火おこしに便利です。
つまり、燃焼の三要素が満たされやすい環境をつくればおのずストーブの温度が上がりガスが燃える温度に達するのです。
熾きってどういう状態なの?
木が分解されガスが出なくなると最後に“炭素”と“ミネラル”が残ります。
そのなかでも炭素は空気中の酸素と結びついて燃焼を続けている、その状態が「熾き」
これは炭素が酸化しながら二酸化炭素を放出している状態です。
つまり
(炭素)C+(酸素)O₂=(二酸化炭素)CO₂
というわけ、この式を見てもわかる通り、CO₂しか出さないので、炎・煙は出てない状態です。
木炭と一緒の状態ですね。
内部まで赤くなるのは、熾きの表面に空気の通り道がたくさんあるから、
中まで酸素がいきわたり赤い塊になるのです。
木が燃える仕組みを理解すれば キャンプ・焚火・薪ストーブがさらに楽しくなる
いかがでしたか?
どうして木は燃えるのか?深く追及するとなかなか面白いですね、
薪ストーブなんかは可燃性ガスをできるだけ燃やし尽くすための工夫がされていて、燃焼の理にかなった構造なんですね!
アタイはこれを理解したうえで木を燃やすのとそうでないのでは、火を見た時の楽しさが全然違うってことにも気づきました!
とはいえ薪ストーブ上級者の方にとっては「こんなの知ってて当たり前だろ」レベルの内容だったと思います。
はい、日々是精進。
それでは良いファイヤーライフを!